【店舗音響⑧】ミキサーの「EQ(HIGH・MID・LOW)」調整術と、ライブ中の「あるある無茶ぶり」スマート対処法(Part 2)

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前回のPart 1では、音出しの際に最も焦る「ハウリング」の仕組みと、ミキサーの超基本操作(GAINとVOLUMEの違い)について解説しました。

無事に音が出せるようになったら、次にチャレンジしたいのが「EQ(イコライザー)」を使った音質のコントロールです。

今回は、ミキサーについているHIGH・MID・LOWの正しい使い方と、店舗の雰囲気(BGMなのか音楽鑑賞なのか)に合わせた調整のコツ、そしてライブ現場で起こりがちな「演者さんからの無茶ぶりリクエストへの神対応」まで解説します!

1. ミキサーの「EQ(イコライザー)」ツマミの役割を知ろう

EQとは、音の「高音・中音・低音」のバランスを整えるためのツマミです。基本的にはどのチャンネルも「12時の位置(まっすぐ上)」を基準スタートとします。

① HIGH(ハイ / 高音域)

  • 役割:音の「空気感」「抜けの良さ」「きらびやかさ」をコントロールします。
  • 調整のコツ:ボーカルやトークマイクで「言葉の輪郭がボヤける」と感じたら、1時〜2時方向に少し上げると声がくっきり聞こえます。ただし、上げすぎると「シャリシャリ」して耳が痛くなったりハウリングの原因になります。

② MID(ミドル / 中音域)

  • 役割:ボーカルの「芯」や、ギターの「存在感」をつかさどる一番おいしい帯域です。
  • 調整のコツ:マイクや楽器が「他の音に埋もれて聞こえない」という時は、安易にVOLUMEを上げずにMIDをほんの少し足してみてください。音が前にドンと出てきます。

③ LOW(ロー / 低音域)

  • 役割:音の「迫力」「重厚感」「リズムのグルーヴ感」を作ります。
  • 調整のコツ:マイクやアコギのサウンドホールから出る「ボワボワした不快な鳴り」を抑えたい時は、10時〜11時方向に少し削ります(カットする)。

2. お店の「モード」に合わせてLOW(低音)を使い分ける!

「低音(LOW)は会話の邪魔になるから削るべき」と言われることも多いですが、店舗の状況によってはあえてLOWをしっかり出すのが正解な場面もあります。

A. 一般営業・カフェタイム(BGMモード)

お客様同士のおしゃべりがメインの時間は、人の話し声の周波数と被りやすいLOWを少し削るのが鉄則。店内全体に音が優しく広がり、会話を邪魔しない心地よい空間になります。

B. ミュージックバー・音楽鑑賞タイム(音楽没入モード)

「音楽を聴くこと」を目的にご来店されているお客様が多い時や、音楽の話題で店内が盛り上がっている時は、LOWを12時〜1時方向へしっかり出していきましょう!

ベースラインやドラムのキック、アコギの胴鳴りが太く響くことで、空間全体にライブ感とグルーヴ感が生まれ、お店の「音楽寄りの魅力」が最大限に引き立ちます。

3. ライブ中の「あるある無茶ぶり」スマート対処法

ライブ営業中、演者さんから物理的に無理のある注文を受けることがあります。現場で焦らずスマートに対応するためのノウハウです。

あるある①:「すでにVOLUME限界なのに『もっと音上げて!』と言われた」

VOLUMEスライダーが上限近くにある状態で「自分の声が小さくて聞こえないから上げて!」と言われた場合、無理に上げると一発で「キーン!」とハウリングします。

【現場での対応策】

  • ① 周りの音を「下げる(引き算)」:アコギやBGMの音量を少し下げることで、相対的にボーカルを際立たせます。音響調整の鉄則は「足し算ではなく引き算」です。
  • ② スピーカーやマイクの位置を見直す:スピーカーの角度をほんの少し演者側に向けるか、「マイクにしっかり近づいて歌ってくださいね」と優しく声をかけて物理的な音量を確保します。

あるある②:「客席で低音がボワ回っているのに『もっと低音出して!』と言われた」

客席側では「ドスドス・ボワボワ」と不快な重低音ノイズが発生しているのに、ステージ上の演者さんが「もっと低音を足して迫力を出したい」と言ってくるケースです。

【現場での対応策】

  • 「LOWカット」+「MID(中音)の微増」で解決!:LOWをそのまま上げると客席の音が完全に崩壊します。LOWの無駄な重低音は削りつつ、音の太さや芯を作る「MID」をほんの少し足してあげてください。客席のクリアな音を保ったまま、演者さんにも「音が太くなった!」と満足してもらえます。

まとめ:空間の空気を読んでツマミをいじれるオーナーになろう!

  • 12時が基本スタート:困ったら一度すべてのツマミをまっすぐ上に戻す。
  • LOWは空間の文脈で使い分ける:会話メインなら削り、音楽を楽しむ時間ならしっかり出す!
  • 無茶ぶりには「引き算」と「MID調整」でスマート対応。

ミキサーのEQ操作は、ただの「音量調整」ではなく「お店の雰囲気作り」そのものです。

次回(9本目)は、営業中に突然起こる「音が出ない!ノイズが止まらない!」といった突発トラブルの即効解決チェックリストを解説します!

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