前回の記事で、マイクやアコギ、D.I.(ダイレクトボックス)の配線手順は完璧にマスターできたと思います。
配線が無事に終わったら、いよいよ実際に音を出していくステップです!
しかし、初めてミキサーのツマミを触って音量を上げていく時、多くの方が「キーーーン!」「ブーーーン!」という激しい突発音に襲われてパニックになります。
今回は、お店で音出しをする際に誰もが通る「ハウリング」の正体と防ぎ方、そして音調整の第一歩となるミキサーの基本操作を分かりやすく解説します!
1. 誰もが恐怖する「キーン!」の正体=「ハウリング(ハウる)」とは?
マイクの音量を上げていくと突然発生する「キーン!」「ピーン!」という不快な大音量。これを音響用語で「ハウリング(現場では『ハウる』と言います)」と呼びます。
お店でハウリングが起きると、お客様が驚いてしまうだけでなく、最悪の場合はスピーカーの機械自体が破損してしまう原因にもなります。
なぜハウリングは起きるのか?
仕組みはとてもシンプルです。
- マイクが拾った音が、スピーカーから出る
- そのスピーカーから出た音を、マイクが再び拾ってしまう
- 音が「マイク ➔ スピーカー ➔ マイク ➔ スピーカー…」とぐるぐる無限ループする
- ループするたびに音が巨大化し、限界突破して「キーン!」と鳴り響く
つまり、「スピーカーの音がマイクに飛び込んでいる状態」がハウリングの原因です。
2. どんな時に「ハウりやすく」なるのか?
初心者が知らずにやってしまいがちな、ハウリングを引き起こす主な行動は以下の3つです。
- ① マイクをスピーカーの真前に持っていく・向ける(スピーカーの音をダイレクトにマイクが拾うため、即死レベルでハウります)
- ② 音量を無理に上げすぎる(マイクの感度が上がりすぎて、遠くのスピーカー音まで拾ってしまいます)
- ③ マイクの頭(網の部分)を手で包み込むように握る(手で覆うことでマイクの音を拾う性質が変わり、非常にハウりやすくなります)
3. 現場でハウらせないための「4つの鉄則」
ハウリングを防ぐためには、ミキサーを触る前に物理的な環境と扱い方を整えるのが一番効果的です。
- スピーカーより「後ろ」にマイクを配置する音が出るスピーカーの向きよりも後方に演者・マイクを配置するのが鉄則です。
- マイクは口元にしっかり近づけて喋る・歌うマイクと口が離れていると、声を拾うためにミキサー側で音量を大きく上げざるを得なくなり、結果としてハウりやすくなります。
- マイクの持ち手(柄の部分)をしっかり持つグリルの網目を手で塞がないよう、演者さんにも事前にやんわり伝えておきましょう。(ハウリングしそうな場合)
- 使っていないマイクの音量は下げておく誰も使っていないマイクがオンになったままだと、無駄に部屋の音を拾ってハウリングの原因になります。
4. ミキサー操作の第一歩!「GAIN」と「VOLUME」を正しく理解しよう
ハウリングの危険を防ぐ配置ができたら、いよいよミキサーで音量を上げていきます。
ここで超初心者が絶対に迷うのが、「一番上のGAIN(ゲイン)」と「一番下のVOLUME(ボリューム)」の使い分けです。
どちらも音量が変わるツマミですが、役割は全く違います。
- GAIN(ゲイン):音の「入り口(水汲み)」マイクや楽器から入ってくる電気信号を「どのくらいの大きさでミキサーに取り込むか」を決めるツマミです。
- VOLUME(ボリューム):音の「出口(水撒き)」GAINで取り込んだ音を「客席のスピーカーへどのくらいの大きさで出すか」を決めるスライダーやツマミです。
音出しの正しい手順
- まず、一番下の「VOLUME」を適切な位置(目安として0dBや7割程度の位置)まで上げておく。
- 実際にマイクに向かって声を出しながら、一番上の「GAIN」をゆっくり上げていく。
- ミキサーの「PEAK(ピーク)」という赤いランプがたまにチカッと光るか光らないかギリギリのところでGAINを止める。
- あとは一番下の「VOLUME」を使って、客席に聴こえる最終的な大きさを微調整する。
この手順を守るだけで、音割れや「ノイズばかり大きくて声が聴こえない」というトラブルを一気に防ぐことができます。

次回(Part 2)予告!各EQ(ハイ・ミドル・ロー)の使い方と「現場あるある」対応
今回はハウリングの仕組みと、音を出すための超基本操作(GAINとVOLUME)について解説しました。
「音は出たけど、なんだか声がボワボワして聞き取りにくいな…」
「低音が響きすぎて会話の邪魔になっている気がする…」
そんな時に音質をスッキリ整えていくのが、次回解説する「EQ(イコライザー)」です!
次回Part 2では、HIGH(高音)・MID(中音)・LOW(低音)のそれぞれの役割と調整方法、そしてライブ営業中に演者さんから言われがちな「あるある無茶ぶりリクエスト」への神対応まで詳しく解説していきます!

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